バンダイ「メカコレ ヤマト2199」&「メカコレ ユキカゼ」

宇宙戦艦ヤマト2199」版新生メカコレシリーズ第一弾、ヤマトとゆきかぜです。2点とも既に発売済みの製品ではありますが、今回のレビューは事前に頒布されたメーカーサンプルを使用しています。

ヤマト/ユキカゼ共にインジェクションの成型品が射出されたそのままの状態でパッケージされていたのが面白いところで、製品版ではこのグレーのパーツは三枚のランナーに分割されます。


赤いパーツはランナー2枚分。分割箇所はいわゆるタッチゲート成型で、工具を使わず素手でパチパチ切断できるのがさすがのバンダイ品質。


こちらはユキカゼのパーツ構成です。ところで何故本製品はカタカナ表記の艦名なんでしょ?


ヤマトに比べるとパーツ総数は少なめですね。


その代わりに?ユキカゼには三隻分の船体番号及び艦名を描いたシールが付属し「ゆきかぜ」「あやなみ」「いそかぜ」を選択して製作することが出来ます。





箱裏に印刷された組み立て説明書とか如何にもメカコレで、往時を懐かしむ人も多いことでしょう。ヤマトのプラモデルはこれまで大小さまざまなアイテムが世に出たものですが、いちばん多く作られたのはやっぱりメカコレじゃないかな?


ヤマトは主砲副砲パルスレーザー砲の豊富な兵装が細かく成型され、


ユキカゼは美しい曲線を描く艦型が絶妙に再現されています。低価格とはいえ非常によい出来栄えで、メカコレの同一価格帯で複数のアイテムを揃えるためにはいろいろあるんだろうなあとは思いますけれど、旧メカコレの中でも傑作であったヤマトやゆきかぜ(古代艦)の雰囲気をそのままに、現代の技術で低価格且つ高いクオリティの製品として生まれ変わらせた、そんな印象を受けます。


小さなパーツでもディティーリングにぬかりはなく。シリーズ第一弾の製品ではありますが、これまで雑誌付録や1/1000スケールシリーズのオマケとしてメカコレサイズの製品を作ってきた経験が蓄積されているのでしょうね。ガミラス戦車なんか単品で製品化してほしーなーというのは贅沢か。いやほらレプタポーダ星駐留軍仕様ということでデザートカラーで…とか、ダメ?


ではヤマトのほうから組んで行きます。組み立てに関してはわりと大雑把だった旧メカコレとは違い、新生メカコレは立体パズルのようだった1/1000ヤマト2199シリーズの設計(思想)に連なるもので、組み立ての手順を間違わぬよう、取説をよく見て進めてください。まずは艦艇部分を組み、



そこに舷側や上甲板を取り付けていきます。いかにも造船やってますというような組立の工程は、1/1000キットと同じく楽しいものですね。


モノが小さいだけにロケットアンカーやカタパルト部分の造形に感じる驚きはラージスケールの製品よりも大きいように思われます(笑)



船体の上に各種の艤装を乗せていきます。艦主付近、波動砲口へとつながるラインも綺麗な曲線で成型されています。


世の中にはこのパルスレーザー砲口をすべて開口する猛者も居られるという話です。宇宙って広いなあ……


艦橋やマストを乗せるといよいよ宇宙戦艦ヤマトという感じである。


煙突の(いやエントツじゃないんだけどさー)開口部は別パーツ化される一方でメインマストは驚異の一体成型。実にメリハリの効いた設計が成されています。探照灯のディティールもしっかりとモールドされていますねああうっとり……


第三艦橋と底部のアンテナ類を取り付けます。後部に開いているのはスタンド用の取り付け穴。

艦底部ミサイルハッチや注排水口のモールドももちろん存在しています。これら全てのディティールは、単純に黒でスミ入れしちゃうといささか過剰表現になるおそれもありますけれども。


スタンドに乗せれば完成です。小さなプラモデルでも展示スタンドがあることでちょっとした高級感(?)を味わえるのは旧メカコレからの伝統で、デスクトップモデル指向とでも言うべきかな。


側面から眺めてみます。アンテナ先端や舷側部分などに厚みが出るのは仕方が無いのですが、艦全体のプロポーションは非常に良好なものです。


参考までに、こちらが1/1000スケールとなります。外観に関しては製品の大小にあまり関係なくほぼ同様の形にまとめられているのがおわかりかと。


ここからはユキカゼの組み立てパート。パーツ数こそ少ないものの1/1000スケールよりはやや大きめのモデルで、若干組み立て辛かった国連宇宙軍セットのものより指先に優しい(笑)


組み立て手順が整然と割り振られているのはヤマトと同様、


こちらもマスト(?)は一体成型され、放射状に展開するラインがゆがみなく決まります。このあたりの一体化は1/1000より進歩してるようにも思われます(金型開発予算の範疇でもありましょうが)


三色の塗り分けを完全再現していた1/1000にくらべるとその点若干弱いのはランナーを見てわかるように2枚の単色成型でやってるからなのですな。ただパーツそのものは適切に分割されているので、最低限の部分塗装で劇中のスキームに近づけることは可能でしょう。赤白二色というのもなんだかオメデタい雰囲気ではある。バリブルーンとかフットワークF1とか何もかも皆懐かしいね……


1/1000ではタイト過ぎて閉口した底部増槽もスムーズにフィットします。艦体のラインもメカコレ版のほうが不自然なくまとまっていますね。


こちらもスタンドにセットして完成です。ちなみに艦名シールは「あやなみ」を貼りました。いやその、白いですから……


側面形状を比較しようと思ったら1/1000作った時は撮影していなかったOTL。「ゆきかぜ」ほしいけどセットではちょっと……という方にはまさしくこちらがぴったりです。


それにしても旧メカコレ版のゆきかぜは良く出来てましたなぁ。


ヤマト/ユキカゼとも砲塔は回転、スタンドに納まるだけでなくもちろん手に持ってブンドドするのも正しい楽しみ方です。お高いキットだとなかなか出来ないのよね(笑)


スケールを揃えることよりもコレクション性を重視して、旧メカコレは幅広いファン層に長らく人気を博しました。新メカコレもまた、ヤマトのプラモデルを長く大きく支えていってほしいものですね。ご承知の通りガミラス艦艇の次はガトランティス勢が控えておりますが、キリシマもほしくなりますねやっぱり。この価格なら同型艦複数揃えて「ありし日の国連軍艦隊」みたいな金剛級四姉妹を並べたいデース!


スケール違いを利用して遠景みたいな画像を撮影してみたけれど、考えてみれば宇宙空間に空気遠近法など存在しようも無いのであった。

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