トランペッター「1/72 ドイツ III号突撃砲 C/D型」

トラペのミニスケール、三突C/D型です。このサイズのインジェクションキットとしては古くはフジミからも出てましたが、現行では本製品だけかな?精力的に72を展開しているドラゴンからは発売されていないハズ。もっともドラゴンが「何を出していないか」を調べるのは「悪魔の証明」じみた作業で(w



このサイズの戦車模型としてはオーソドックスな構成で、取り立てて何か奇をてらったような設計がされている訳ではありません。元々三号突撃砲のC型とD型は外観上区別がつかない(車内通話装置が異なっている)ため、どこのメーカーのあらゆるスケールの模型でも「C/D型」として一括された製品となるのが常ですが、このトランペッター製1/72シリーズでは同一ランナーの枠内にE型の戦闘室上部パーツまで入ってます。奇をてらうというよりはコストの抑制なんですけど、結果としてこのC/D型とE型のキットはパッケージ以外まったく同じ内容だったりする。

ですからして「いますぐE型を作らないと直ちに健康に影響を及ぼすが目の前にはC/D型しかないッ!!」とゆーよーな方でも、慌てず騒がずC/D型を入手するべきなのです。


ちなみにデカールの方はB型含めて3種類の製品で共用する仕様。


オーソドックスとはいえそこは現代のプラモデル、上部転輪にスライド金型を使用することで巧みに一体化を図ってます。指の太いモデラークラスタには朗報です。


多少のバリは出てますが、組み立ては実に簡単である。車体下部に存在する太い支柱のような部位が、パーツの接合にはなんの機能も果たしてないのは、多分これ塗装済み完成品用の機構なんだろうな。


ああ、ここだけは注意が必要になります。アンテナケース部分、D2とD3は左右の指定が逆になってます。そして三号突撃砲でもC/D型はアンテナ一本のみ装備なので、本製品をC/D型として組む場合は車体左側にD2を接着するのが正しいです。この辺E型と共通させてる影響で、結果として右側のエンジン吸気口に無用な取り付け穴が残ってしまうのは若干いただけない…


ベルト式履帯は例によってのトラペ材質。日ごろミニスケールをスタンダードでやってる方々は、どう対処しているんだろう??


手すり部分や省略されたボルト類などに手を入れる余地はありますが、基本的なプロポーションやディティールはこのサイズの模型ならば十分及第点でしょう。


やっぱりキャタピラ浮き気味なのが気になるかなー。


底面のパネル類もしっかりモールドされています。もっとも、ひっくり返すとキャタピラよりもシャーシーと一体化されたサスペンションアームの方が気になって夜も眠れない。


防御能力を高めるために戦闘室前面の直接照準孔を塞いで砲の照準をペリスコープ式に改めたのがC/D型の最大の変更点ですから、照準器を自作するのは効果的なディティールUPのポイントとなるでしょう。キットのままだとポンキッキのムックの口元のようにぽっかりと開いた暗黒の入り口である。


1/72スケールの戦車模型ってメーカーお膝元の中国じゃどういう位置づけなんでしょうね?リーズナブルなんで初心者・入門者に向いてるように思われがちですけれど、個人的にはもう少し大きめなサイズの方が戦車模型のセンスオブワンダー(何)を感じ取れるような気がするんだよな。


短砲身型の三突自体は、実に可愛らしい戦闘車両でありますので、一家に一台、小さなお子様にもどうぞ!と夜店でゼニガメやカラーひよこを売ってるかのごとくにオススメ物件です。

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へ