ホビージャパン「ホビージャパンエクストラ 2014 spring」

ホビージャパン別冊の新雑誌、特集は「ミリタリー×女の子」として「ガールズ&パンツァー」と「艦隊これくしょん」の2つのコンテンツをメインに取り上げています。


新雑誌とはいえこの誌名に見覚えのある方も多いでしょう。1987年夏から2002年に掛けて刊行されていたホビージャパンの季刊別冊で、90年代のガレージキットブームの一翼を担ったものと記憶しています。大判の版型やメカから美少女へと変遷した美しい完成見本のフォトは後にHJ本誌のみならず模型雑誌全般に与えた影響も大きいでしょう。今回の新創刊は以前より小型の版型、ホビージャパンの刊行物では久し振りの中綴じ本で、以前に比べて小回りの聞いた時流に敏感な内容を目指すものと見えます。本誌の編集内容、ページ構成がほぼ定型化されている(それはまた最適化されているという意味もあるのですが)現在、ちょっと毛色の変わった誌面を作るのは野心的且つ実験的な試みで、今後どうなっていくのかは注目したいものですね。


本文奥付含めて総ページ数96ページのうち実に75ページ目までがガルパン特集に充てられています。メインとなるのは7月発売予定のOVA「これが本当のアンツィオ戦です」に合わせたイタリア戦車紹介で、最近のガルパン(あるいは戦車模型)関連本の流行に乗るものではあります。


P40はじめアンツィオ高校の使用する各種車両の記事が掲載されていますが、特にPVでとんでもない高速性能を見せ付けていたCV3/33には注目する方も多いでしょう。日本向け再販も決まったブロンコモデルのキットを用いて劇中設定に準拠した改修ポイントが説明されています。


実際の戦車やOVA登場キャラクター、いまやすっかりおなじみの吉川和篤氏と杉山プロデューサーの対談ページなど概ねOVAに向けての「予習」的な構成ではありますが、TVシリーズ全話のストーリーガイドもあり、これまでガルパンに接してこなかった方でもOVAをきっかけにこの世界に入り込めるような配慮がされています。


これはちょっと隙を疲れたような感を得ましたが、今回OVAでは久し振りにあんこうチームのIV号戦車がD型仕様で登場するのですね。そこで掲載されるプラッツのD型キットを使った二通りの製作記事。ひとつはキット素組みに缶スプレーのかんたん仕上げ、もうひとつはCG設定にあわせた徹底ディティールアップで“究極”のあんこうチーム仕様を目指すものです。


歴代のあんこうIV号でもD型イチオシの方、特にTVシリーズ放送時に購入したまま積んでしまっている方には今回のHJEXは格好の製作ガイドになってくれるものでしょう。現在プラッツのこの製品は市場にまず見かけない物ではありますが、果たして再販はされるのかな……?


素のほかホビージャパン本誌に掲載された関連記事からいくつかピックアップされて再録があります。こういう場合初出データがあるとオリジナルの記事情報にも接することが出来るので尚良いのですけれどね。メーカー各社から発売されているアイテム紹介、フィギュアを中心としたイベントレポートなど様々な角度からガルパンを取り上げる75ページです。



それに比べると艦これ関係はオマケ的な扱いではありますが、ゲーム内で「艦娘」に実装される改装備を艦艇模型に反映させる試みは面白いものです。これまでも艦艇模型の1ジャンルとして存在していた架空艦の製作はとかく超大和など大型艦や最強艦艇を目指しがちなものではありますが、地味な架空艦というのもこれはこれでよいものですなうむうむ。皆様も是非龍驤を近代化して微妙なガッカリ感を追加してですね……


イベント関連、フィギュアのページは艦これのほうが華やかでやはり大艦巨砲主義は正義!と言わざるを得ない。ガルパン艦これのコラボはよく言われるけれど、だれかガルパンのキャラクターを艦娘化する猛者はおらぬか。「駆逐艦 西住みほ」とかどうでしょうかアカンですかやはり。

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