アオシマ「1/64 ネオエンペラー (フルトレーラ)」

「手のひらサイズの可愛い車体に満艦飾の飾りを施した、若年層向けのデコトラ入門モデル」ミニデコNEXTシリーズから大型冷凍架台を2両連結した迫力の「ネオエンペラー」です。

キャビンや荷台パネルはスライド金型で成形されています。デコトラシリーズも息の長いプラモデルで、大型・豪勢なアイテムが幅を利かせる中に一種のカウンターパート的な存在としてエントリーユーザー向けに始まったのがこのミニデコNEXTシリーズというわけです。


シャーシー部分はレッドの成形色。



ナリは小さくてもメッキパーツが大盤振る舞いなのは大型モデルと変わりがありません。


レッド・イエロー・オレンジ三色のマーカーランプパーツ。


タイヤは5軸合計18本が付属します。


二台分のパネル並びにデコレーション用の文字シール。


ディティールを主な売りに据えた製品ではありませんが、パネル部分のモールドは小気味良いものです。


パネルシールは秦の始皇帝をはじめ古代中国の故事をモチーフにしたデザインです。だから車名が「ネオエンペラー」なのか。イラストのタッチ、雰囲気についてはワタクシこの界隈の空気にあまり詳しくないんで、その……どんどん組んでいきましょー。


タイヤですがトラクター部分前輪がシングル、以降の四軸はすべてダブルとなっています。この画像はトラクター用の三軸分。1/64スケールの小さな物ではありますが、このタイヤがなかなかに良い出来。


アップにしても伝わらないかも知れませんが(汗)全輪切り出し済みなんだけど、特にゲート痕とか見当たらないのよね。


メッキパーツの接着にはコニシのGボンドクリヤーの使用が推奨されています。が、まその、注意書きに気がついたのは全部組み上げてからのことで、フツーに接着面で削り落したり瞬着なんかで止めちゃいましたね。発想が古いまんまだね俺……

しかしトラクターのリアランプ部分はメッキパーツを切断して左右に振り分けるべしという、なかなかゴーカイな指示ではある。


キャブ部分は通常のプラとクリアーパーツでメッキパーツを挟み込む、なかなかにテクニカルな処置が要求されそうで荷重が掛りそうもないから木工ボンドでしめしめって感じで撮影したんですけれど、Gクリヤー使ったら屁でもなかったんでしょうかコレハ。


バンパーはメッキパーツの上にクリアーのマーカーランプをオレンジとイエローのそれぞれ「C」パーツを接着するよう指示されています。パーツ自体には接着ピンもないもないのでかなり無理矢理水平出して瞬着で一気に留めちゃったけれど、ひょっとしてこれもGクリヤー使ったらもっと楽に??


入門者向けってことを考えるとクリヤーパーツやメッキパーツを何のガイドも無くイモヅケさせる箇所が多いのはいかがなものかと思いますが、ひとつの理由としてはシリーズ全体でなるべく多くのパーツを共有し、細かなデコレーションを変化させることでバリエーション展開を計っているのだろうと推察されます。主に開発費用の問題ですね。そしてもうひとつには「飾りをアレンジして自分だけの一台を作る」コンセプトがこのシリーズのみならずデコトラプラモ全体の骨子として在る、ということでしょう。取り説の指示に従うばかりではロックなトラック野郎とは言えないのだぜ!好きに作るべし!!

……とはいかないのがレビュー記事である。ロックじゃないなあおれ。


インテリアは簡素な物、またメッキ面はシール糊が上手い感じで滑るので通常のプラパーツよりも位置決めが楽でした。そんな効用もあるのかー。あとキットにはどこにも何も書いてないけれど、パーツにはしっかりNISSANのモールドが存在しる。


荷台部分の上縁はレッドとイエローのマーカーランプ「A」を交互に接着していきます。ここは位置決めのモールドがあって楽ですね。その取り付け位置のモールド自体はパネルの四周に存在するので、パーツ請求などでごっちゃり飾り立てるもまたよし。手順ではここでパネルシールを貼りつけるのですが、そこは最後の楽しみでとっておくのです。


トラクターとトレーラーでは一か所パターンが異なるので注意。そういえば数年前のホビーショーデコトラの実車が展示された時、会期終わって退出する際にパネルのマーカーランプを引っかけて一列分ごっそりバキバキ逝っちゃったとゆーのを目にしました。その後ホビーショーデコトラが展示された話を聞かない……


トラクターの方には連結牽引具がつくんでナンバーフレームを切り落とす指示があるんだけれど、多分この作業はマーカーランプ接着よりも前に加工したほうがよいでしょう。どうしてこの順番なんだ(?_?)


サイドバンパーにはマーカーランプ「A」を6個、「キイロ」で取り付けるよう指示がある。

「キイロ」


(ここで関羽の例の画像)

そんなものは ない

キットに封入されてるマーカーランプは「レッド」「オレンジ」「イエロー」の三色で、イエローのマーカーランプAはパネル部分ですべて使ってしまったのだ。まあねえ、慌てず騒がず未使用だったオレンジのマーカーランプを接着しましたけれども。


キャブ上面に乗せるあー「フロントデッキ」ですかこれは、その側面にはここはしっかりオレンジレッドイエローのマーカーランプ「C」を三色綺麗に並べるようになっていますが、オレンジとイエローのマーカーランプ「C」は既にフロントバンパーで使用済みである。予備のパーツ?

(また関羽

そんなも(ry


ランナーに三色とも残っていたマーカーランプ「B」を並べてみたけれど微妙にサイズが合わない。なんかこー、既存のシリーズからコピペで作った取説図案の差分を修正してないような印象を受ける、そんな感じです……



トラクター部分、一応の完成を見ます。デスクトップやダッシュボードにちょこんと置いておくには手ごろなサイズかも知れないなー。


トレーラー部分もサイドバンパーにはマーカーランプ「A」を「キイロ」で指示してあるのはもうアオシマがロックなんだと思うようにする。考えてみりゃ人生には取り説なんて無いんだ、他人からの指示だけで生きてちゃダメだ、そんなメッセージを受け取ろう。若年層向けプラモデルに必要なのはそんな精神だと思います。



トラクター部分はこんな感じで。


両車を連結、パネルシールを貼れば大迫力のサイオー・ホースと言わざるを得ない。実際の道交法上このような連結トラックが日本の道路を走れる訳が無いのですが、模型ならではのケレン味あふれる一品です。


この「ネオエンペラー」は保冷車を2両つなげたスタイルですが、シリーズでシャーシは共通してるんでウイングタイプのトラックをズンドコ連結して、大量の荷降ろし作業を夢のように加速させるなにか夢のような荷受けがって目を覚ませ、そんなものは夢だ。



仮に実在したらまー高速道路でお会いしたくない車両ではある(w


いささか気になるのは「ネオエンペラー」の正面看板が下向いちゃってちっとも文字が読めないことですけれど。果たしてこれでいいのだろうか?


パッケージ画を見るとキットで言うところのA4パーツがもう一個、前後逆にしてスペーサーとして使用されている。A4パーツがもう一個?


(関(ry


とまあツッコミどころは多いんだけど、それも含めてアオシマかなって気もします。ユルさも許そう、そういう気分か。なんかほら「アオシマじゃよ」の例のTVコマーシャルを思い出すと、大抵のことはおっけーになります。


最大の特徴はやはりサイズで、1/64スケールならばプラモデルよりも完成品ミニカーの分野でいろいろ揃っていますから、そちらを活かして例えば情景であるとか、小奇麗に整えてディスプレイケースに飾るとか、ラージサイズのモデルではなかなかやり難いことが可能かも知れません。電飾に関しては大きなものより難しいことは確かですが、不可能ではありますまい。


また本製品の取り説にはアンケートページがあって、ユーザー動向に気を配ってるのが伺えてそれも良し。若年層やエントリーユーザーを、ちょっとメインストリームから外れた模型のよこみちからも受け入れる、そんな存在なのかも知れません。横道も本道も、ホントは違いが無いのが模型業界だろうとは思いますが。


個人的な意見としては、製品内容はともかく説明書のほうはも少し改善されるといいなーと、思われます。Gクリヤーの使用とか、わかりやすいとこに書いて下さると実に有り難い(w


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