イタレリ「1/35 フェルディナンド タイガー 」(発動編)

前回は「接触編」だったことにしておこう、なイタレリP虎第二回であります。こないだは割とトホホな印象受けて終わって「10年後にまた会おう(キリッ)」などとこれは老後の楽しみ的に積み戻してしまったのですが…

そのあとつらつらとMG読んでたら恐ろしい事が書いてありました。今月号お持ちでしたら41ページを開いてください。老後にプラモなんか作れないのです。そういえば最近細かいパーツ扱う時に距離を置かないと目の焦点が合わなくて……これがいわゆる「ロではじまってンで終わる」アイツの先触れでしょう、コンビニのローソンでもガスライターのロンソンでもなく!

ですからまあ、組んじゃいました。「ガールズ&パンツァー」特需の今を逃せば二度とやる気にならないだろうなーとも、思った訳で。


シャーシーは最初から一体成形…と言いたいところですが前後の誘導輪/起動輪基部のみ別パーツとなってます。


全体を箱組みするより歪みが無くていいんですが、結構な幅で合わせ目が出来ます。特にディティールの入る箇所でも無し、何の理由でわざわざ分割したんでしょ?エレファント時代からのオリジナルパーツだよなこれ。


問題の車体後部の合い加減ですが、たしかにパーツの長さが足りません。この通りスキマが開きます。でもこれフェンダー付けたら隠れる程度ですよ?どうもその、このキット全般に言えるんですが悪い噂ばかり先行して、実際に組んでみればまっとうにカタチになるじゃないですかい。


思わず頭を抱えた車体側面板は噂通りにチカラワザが必要になりましたけれどね。どんなワザを使ったかといえば


まず、服を脱ぎます。


いや、マジですよ?


…その後風呂に入って歪んだパーツをお湯にドボンで伸ばしてドライヤーで乾かし乾かし乾かし乾かし、だいたいまっすぐに近づいてきたなーと思った案配で洗濯バサミと流し込み接着剤をたっぷり使って……


なんだかクマムシのようでラヴリーだな。慎重を期すためこの後洗濯バサミの量を倍増しし、一晩放置する流れです。誰ですか裸で踊ったらパーツの歪みが直るなんて思った人はああそんな人いませんかそうですか。


砲塔側面視察口は筒抜けだったので裏からプラ板貼っつけ。簡単な割に効果が高い対応です。


ラッパ吹きの女の子を乗せたくなる多脚歩行的な何か。


キューポラ部分はいろんなところが変過ぎです。まずハッチ開閉補助アームの長さがまったく足りません。キューポラ側面に伸びてるハッチの受け手も角度がおかしいしこりゃーどういうこっちゃ、直さんといかんなあ。てなことを普通は思うのですが


長さも高さも妙に大きな視察スリットがそもそも正面向いてない事にも気づいてまーその、キットの素性を活かす方向で行きましょうと。

まーちゃんと直そうと思ったら実車には開閉補助アーム付いてないんで基部から削るとか、他社製品からキューポラ持ってくるとか、いろいろ方法はあります。そんでおいらハッチの受け手(パーツNo76)を、どうも逆向きで付けたっぽいんだよねーうーむ。


まあいいか。あまりに気にするな(´・ω・`)


サスペンション基部のプラパーツ焼き留め指定の箇所はそんなことせんでもパーツNo10の位置に注意して普通に接着。多少の遊びは出るけどポリキャタピラのテンション考えたらあんまりキツキツにしないほうがよいと思われ。本来ここで誘導輪/起動輪も同様の処置を施すのですが、やはりキャタピラの事を考えてこちらは接着せず差し込みのままとして置きます。一度ボッキリ逝くと精神的ダメージ大きいもので……


サスペンションも無事可動と相成りました。うん、一個可動して無いように見えるのはうっかり最初のひとつに流し込み接着剤使ったからだ。馬鹿の証しとして敢えて掲載するOTL


車体上下の接着には特にガイドとかないんで完全に固まるまではテープで押さえておきましょう。などといろいろアドバイスめいたことを書いてはいるが、いまどきイタレリのポルシェティーガー作ってるヤツなんて日本に俺一人じゃないだろうか?急に夜の寒さが増します。


なお装甲板の前縁は全然合いません。誘導輪基部にもスキマ風がぴゅーぴゅー。


さすがにここはパテやプラ板やらでゲシゲシ直します。あんまり綺麗に行かなかったら「学園艦の倉庫で20年間放置されていたッ!」と声高に主張すればよいのだ。


誘導輪と起動輪はエレファントの四本スポークのパーツに追加して八本スポークに変える工夫が面白いです。左上ので見られる通り追加スポークは長さが足りないんであんまり効果は無いんですが、ここはそのアイデアを評価したい!うまい解決方法も見つからんしな(ぼそ)


左右のフェンダー付けると急に押し出しが強まりますな、恰幅がよくなるというわけか。


OVM関連はジャッキ台のハンドル部分だけ異様によく出来てます。その半面ジャッキ本体は固定具ふくめたワンパーツ成形でとんでもないヒケがあり、おまけに2個で微妙に形状が違ってるんだがこれどうしよう。古いドイツ戦車プラだと(それこそIV号Dとかだと)タミヤの「IV号戦車 車外装備品セット 」使えば効果的なんですが、どうしてこのセットには重戦車用ジャッキが入ってないのだ!!IV号戦車用じゃけん、無茶言うなや。


このキットのネックのひとつであるポリ製キャタピラは焼き留めします。いまや絶滅しかかってる技法かも知れませんが、ガルパン効果ではじめてタミヤのIV号D型やM3リーを手に取った方には必須のテクニック。説明書にはマイナスドライバーをローソクなどで炙る手法が記載されてるかと思いますが、日本人ならお線香使うのがいちばんですよ。これで大抵、うまく行きます。お仏壇から一本いただいてくるか、蚊取り線香でも行けるかなー。いずれにせよ火を使うので注意が必要で、本当に安全な作業を心がけるならホチキスで留めるという手もあります。


ほんでミッチャクロン吹いとけば塗装も可能と聞いたのでその通りにしてみた。まだ塗装はしないわけであるが。転輪は仮止め、スクレイパーはまだ付けず、おそるおそるにハメてみたら……


わりとユルユルでした。なんだ心配することなかったな。むしろ緩すぎて浮き上がってることが問題で、ここは瞬着なり糸留めなりで密着させる必要がありそうですね。


OVM関係も仮留めしてこの通りちゃんと形になるのです。なるのです。あまり雑誌の言うことを鵜呑みにしちゃいかんなと、そういうことだわなあ。ちなみに仮留めには木工ボンド使ってます。ドメスティックで便利な素材なのに、これも模型誌ではあまり言及されない存在。


製品名は「フェルディナンドタイガー」、一般には「ポルシェティーガー」で通りながらもその実態はフェルディナンドでもティーガーでもなんでもないVK4501P試作重戦車。こうしてみると大径転輪6個の配置といい後部に動力系をまとめる処置といい、ポルシェ博士がT-34をリスペクトしてるのがよく解ります。ヘンシェルの正規採用ティーガーと比較されることが多い存在ですが、ダイムラーベンツのVK3002とコンビを組むのがいいかもしんない。水子重戦車隊ってイヤだな(w


ポルシェ博士といえば大昔のNHK番組「西田ひかるの痛快人間伝」、フェルディナンド・ポルシェの回は面白かった。「ポルシェ博士はヒトラーの命令で無理矢理戦車を作らされました」とか変に善人ぶってて笑えた。


アンテナは最初からパーツ化されてますのばしランナーから自作しなくてよい……んですが、ゲート処理してたらポッキリ折っちゃいました。ホントはもすこし長いのです。マヌケの証しとして敢えて(ry


ライト基部には電源コードのモールドが入っててここは素直に感動しました。この部分はエレファントのオリジナルパーツで、古参戦車モデラーの方々が「往年のイタラエリはよかった」と仰るのがわかるような気がします。それだけに新規パーツの甘さが目につく存在であるのも確かなのですが。


決して最善ではないけれど、かといって最悪でもない。基本はパッケージ内容だけでちゃんと形になります。うん、これはいいプラモデルだ。早いところでは本日深夜から放送される「ガールズ&パンツァー」第8話以降の活躍によっては急にこのキットの人気も高まり再生産の要望が殺到し「オスプレイといい、どうして最近の日本人は昔の製品ばかり欲しがるんだ<(゚Д゚)>」などとイタレリのなかの人が頭を抱える展開に……


なるよりはタミヤが新規開発したほうがみんな幸せだと思うんだよな。エレファントの設計データは有るんだし。

幸か不幸か映像ソフトのリリースが遅延するんで、設計期間はあると思うんですけどね。BD/DVD5〜6巻の発売日はちょうどホビーショーの頃なんだよな

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