フジミ製、未来社会の警察車両を立体化したSFプラモデルです。
このキット、発売アナウンスが成されたときには結構な話題になりましたけれど、いざ実際にリリースされたら模型雑誌等ではあまり積極的に取り上げられていないように思います。イッタイナゼデショウネ(棒読)
バックトゥザフューチャーのモブメカによく似たものがあったり古くはWAVE製「サイレントメビウス」レジンキットシリーズに「謎のパーツ」としてそっくりなブツが入ってた、あのスピナーですよ?
ところで、古代ギリシアの都市国家のことを「ポリス」とゆいますが、本製品は古代ギリシアとはなんの関係もありません。
だから「ポリス」はつかないんです。あくまでただの「スピナ」ーなんです。
か、どうかは判りません。詳しい事はマルシー表記のところに聞いてください。
パッケージ、塗装指示は濃いブルーになっていますがパーツの成形色はホワイトです。照明でディティールが飛んじゃうんで真っ白なのは好きくない。どうせなら灰色にしてほしい。(作りやすさの観点です)
前後の車輪、座席などのDランナーは2枚入り。
大型のキャノピー他のクリアーパーツとクリアーレッド/ブルーの2色で成形されたパトランプ類。
カルトグラフ製のデカールと「SPINNER」エンブレムのエッチングが付属します。
日本語と英語が混濁した文字類に、古めかしいアメ車みたいなエンブレム。さらにはいかにも古臭いモニターフレーム表示にこの車両の属する世界観が垣間見えるようではある。「強力わかもと」は最近見かけなくなったけど。
配線類が直接モールドされていたり、変なところでスライド金型が使われていたりといささか不思議な構成は同じくフジミの白バイを彷彿とさせます。同じような設計思想なのかナー。
組み立て自体も白バイと同様簡単なものなんですけど、なにもモールドされてないところにセンターコンソールのデカールを貼れという指示は実に漢(おとこ)らしい処置です。近未来ハードボイルドです。
シャーシー底面には12個の浮上用ノズルに加えて下方視界を確保するウインドウが存在します。空飛ぶパトロールカーならではの装備ですが、未来社会の婦人警官はスカート履けませんね。嫌な未来ですね。
しかし車体上下を接着すると片方の視界は完全に塞がれてしまうのであった…あれれ??
なおかつ、その状態で底面をみると非常にマヌkあーもとい、妙な状態になってるんでここはなんとかしたいところ。映画はどうなってたかなあ。ん?映画ってなんのことだ、知らないな。
コックピット背面もその、これはちょっと、あんまりよろしく、ない。本気でやろうと思ったらかなりの修正を要求されそうではあります。
ルーフ上にブリッジ設けて乗せられるパトランプは赤青二色、予備のパーツで無色透明のもあるので劇中同様オレンジカラーが欲しい方にも一応の配慮はあります。劇中…
ニチモのマルチ台座に乗っけてみたらバッチリの飛行シーン。うんうん、浮遊していると急に実感が増すねえ。
前輪とカバーの組み換えで地上走行モードも選択できます。
車軸が上下に二つ設けられているので引き込み機構らしく見えることは見える。
四方向から見てみます。とにかく車体全体にクリアーパーツが多く分布しているので、そこの部分の処理がいちばんのキモでしょう。電飾派の方々には腕の振るいどころかも知れませんが、一部クリアーパーツ化されていないランプ部も…あるので…
キャノピーと本体を跨いでいるフェアリングが完全に分断されているのは仕上げ難い箇所かも知れません。合計三か所のエッチング貼付部に一切何のガイドもないのは作り手にやさしくない仕様です。
コックピット内部も異様に空間の目立つものとなっています。もうちょっとごちゃついてた方がらしいよなーと、思います(この部分は雰囲気優先で「再現」とはまた違う処置になるでしょうね)
などといろいろダメ出しはしちゃいましたけれど、やっぱり誰もが知ってる「あの」スピナーが1/24スケールのプラモデルとして手に入ることの意義は大きいと思うのです。「あの」作品でいろんなものに開眼したり、「あの」作品でいろんな事に躓いたり、「あの」作品が多くの人々に影響を与えた存在であることは確かなのです。
特にタイトルは挙げませんが。
ところで、本キットとは何の関係もありませんが、リドリー・スコット監督が作家K.W.ジーターのSF小説を映画化するって噂は結局どうなったんでしょうね?小説のタイトルはたしか…
「ブレードランナー2」
と、ゆーのであったか。