プラッツ「1/35 ガールズ&パンツァー ポルシェティーガー レオポンさんチームver. エキスパートセット」

これまでガールズ&パンツァー関連いろいろやってきましたけれど、プラッツの公式キットを組んでみるのは初めてだったりする自動車部チームのポルシェティーガーです。今回は車両単体に加えて後日発売されたディティールアップパーツと新規のレジンフィギュアをセットした「エキスパートセット」の紹介になります。


レジンフィギュアの完成見本。プラッツの1/35ガルパンフィギュアはそれぞれ戦車と並べるにはよいのですけど、制服・立像が主で戦車に搭乗した状態にはなかなかし難かったのでイイ感じです。世界観を規定するのは車両よりもフィギュアなんだよなーとはガルパンに限らず思うところではありますが。


従来ですと個別にランナー画像見せていくところですが、多くの方もご存知の通り結構な量で不要パーツが含まれるものですから、製品内容については軽く触れる程度に留めておきます。こちらはドラゴン/サイバーホビー製のポルシェティーガー、プラパーツ一式のバルクセット。なんか「どたぷ〜ん」って人力SEが聞こえてきそうである。


キャタピラはDS素材。通常版リリース当初から指摘されている通り本製品はポルシェティーガーのいわゆる実戦配備型(第653重駆逐戦車大隊003号車)をプラモデル化したもので、ガルパン本編に登場した試作型とはちょっといやずいぶん違ったカタチをしています。DS素材のベルトキャタピラもセンターガイドが一枚おきのエレファント/フェルディナント仕様のものなのでご注意ください。


プラッツ製のデカールに加えて県立大洗女子学園の校章シールが付属します。キャラクターの立ち姿は戦車とサイズが合いませんが、ボックス側面には1/35スケールでのイラストが描かれていて、切り出すだけでスタンドポップを作ることが出来るのはプラッツ公式キットの共通フォーマット。シールは初期のアイテムではそれぞれの車両に合わせたチームのシンボルマークやキャラなどの図柄がランダム封入だったはずですが、今回どうなっているのかちと詳しいところは不明・・・・・・


後日発売されたディティールアップパーツのランナーが同梱されています。単品版ではなぜか付いてたフラッグ車用の青旗と判定装置の白旗はオミットされていますね。


RCベルクで注型されたレジンパーツと瞳デカール(予備に1セットあり)原型製作はカメさんチームセットの生徒会長やあんこうチームの冷泉さん、レオポンチーム4名を担当したチェリー氏によるもの。


取説が2枚ありますので組み立てにあたっては本体の説明書を基本に適時エキスパートセットの追加された記述で補っていくような構成となります。事前に双方目を通してあらかじめ手順を確認しておくのがよいでしょう。


アニメと形が違う!という批判は確かにありましたし実際その通りではありますが、アニメと形が似ているイタレリ版組んだ経験から申し添えますと、ひとつのプラモデルとしてはこちらのほうがはるかによく出来ていますハイ。なにせわざわざ裸にならなくても箱開けたら既に車体がちゃんとカタチになってるんですよええまったく。


不要パーツが割高感を増しているのもまた然り、けれど不要パーツを捨てずにとっておけば何時かは何かに!大抵使い道が見つからないまま溜まっていくものですけれど……


試作型で作画されていた本編CGデータですけれど、起動輪と誘導輪は実戦配備型の(つまりフェルディナントの)四本スポークのものが使用されていましたのでここは本編と同じですよバンザイ!!イタレリのも基本はエレファントのパーツだったけど


ガルパンの3DCGが微妙に実車と(あるいは参考にされたと思しきプラモデルと)微妙に形を変えてきてるのはたぶんわけがあるんでしょうね。著作権意匠権についての何らかの予防かもしくは違法なデータ流失による他作品への使用を防止するために、意図的にオリジナルな形状をデザインしてるんじゃないかなーと、これはプラモと関係ないただの推測、おまけに邪推(笑)


サスペンションの縦置きトーションバーは左右貼り合せの構成、そこの合わせ目よりはカバーとなるF5パーツのパーティングラインが目立つので処理に力を入れるならそちらでしょう。転輪装着するとトーションバー部分なんて全然見えなくなるのはタミヤのエレファント組んだ経験からも明らかです。


サスペンションは可動。前にもそっくりな写真撮ったけど黙ってりゃ誰にもわかるめえと今貼った過去記事へのリンクも忘れて。


誘導輪基部は実車同様に偏芯可動でキャタピラのテンション調整を行えるので、ベルトキャタピラの具合を見て位置を決定してください。可動サス、ベルトキャタともに躍動感を表現できてディオラマ向きなギミックと思われます。これまで模型誌では第11話での石橋を破壊するシーンや12話での立往生の情景を見ましたが、個人的にはHS地点に侵入してグラウンド脇の土手に乗り上げるシーンがレオポンチームいちばんの名場面だとあーいやほら、あの場面で長砲身の砲塔をちょいと横に向けて避けさせる挙動は芸が細かくてよいなーってそんなん細かすぎてだれもディオラマにせんですかそうですか……


足回り部分では前後のスクレイバーが誘導輪/起動輪の歯と干渉するので、スクレイバーのパーツを削って摺り合わせましょう。誘導輪は前述のように多少融通を利かせることもできるのですが。


車体正面のボルトは削り落とすよう追加の指示がありますが、削ったところで増加装甲の装甲厚は変わらないのが痛し痒しではあり。


車体機銃は基部までよく出来ていて良く動きます。弾薬嚢J25の取り付け位置がイマイチよく分からなくて悩んだけれど、冷静に考えたら完成するとどうせ見えなくなるのであった。J26の円形の部分はヘッドレストというか頭で操作するパッドで、詳しい使い方はネットで探したどんな画像よりもガルパンの美術設定見るのがいちばん判り易いぞ(IV号D型用の車内設定)


銃口部分も開口されていて実にうっとり。ただGB7のボールマウントパーツのスリットを通す際はかなりタイトなので、ここはドリルなどで拡張する必要があります。広げすぎちゃうと大変なので、何かと慎重に大きくしましょー。


車体部分は概ね完成、前照灯など本編映像とは全然違う配置なのに出来自体は優れているというのはいささか困ったところであります。


車体後部のエンジングリル、特にフィンを一枚ずつ貼っていく左右の吸気口は大変よく出来ているのですが、やっぱエッチングほしいですわなここはなあ。P虎に限らずオリジナルのドラゴン製品では存在したエッチングがプラッツ版のガルパンキットではすべて割愛されてるのは、やはりロット数の問題なのでしょうね。ドラゴン/サイバーホビーのキットに於ける製品内容と値段は世界市場への生産規模が前提なのであって、あくまで日本国内に限定流通だったガルパン仕様には難しかったのでしょうねううううむ。


以前イベントディーラーでポルシェティーガー用エッチングを販売されていたところもありましたから、どうにかして手に入れることは絶対に不可能とも言えないでしょうが簡単なことでもないですね。自作はハードル高いよなやっぱりな。アベールの「1/35 ポルシェティーガー用 エンジングリル」があればドンピシャなんですが、さすがに品切れか……


ちなみに取説(車体本体の取説)工程11では左右のフェンダー前後にフェンダーステイ用取り付け穴を開口する指示が落ちてるんで注意。パーツ裏面にはちゃんと隠し穴がありますよーとかいいつつ全然気づかずにあとから目検討で付けましたよ嗚呼。


主砲は外から見える砲身部分の組み立て指示しかありませんが、


不要パーツには砲尾部分も存在するので勿体無いからドラゴンの他キット参考に組んで見ましたよヤッホウ。


しかし砲塔に組み込んでみたら薬莢受けが干渉して砲身負仰が出来なかった、何故だ!?。なおこの砲尾部分に関しまして、特にエキスパート版の場合はやっぱり組まない方がいいんじゃないだろうかと、それはまた後で。


砲塔部分完成です。上面ハッチはふたつともピットマルチで仮止め、取説でも未接着が指示されていますが装填手ハッチを開く場合はTHランナーに含まれる開閉補助アームが必要になるので注意。fとTHは枠ごと全部不要って恐ろしいパーツですけれどこれは……


IV戦車用のゲベックカステンが装着されます。以前これを「III号戦車用」と書いてたブログがありましたけどイヤですねえ恥ずかしいですねえ、一体誰が書いてたんでしょうねえ。


ぼくです( ・ω・)ノ


すいませんほんとゴメンなさい、さっき過去記事読み返して今更気付く所がアイタタタであり。


砲塔上部のいわゆるモヒカンは「屋上屋を架す」を地で行くもので、決してこういうことではないのですが、真っ平らのまな板よりはまだいいのかな。


このエキスパートセットだけで手に入るナカジマさんのバストアップフィギュアです。やはりまな板よりは盛り上がってる方がよいものです(いまとても大勢の人を敵にまわす音がしました)。普段はツナギ姿で地味な見た目の自動車部メンバーですが、パンツァージャケットのみならずオマケOVA「エンカイ・ウォー」でのステージ衣装姿からみなさんないすばでぃなのはガルパンおじさんの間ではつとに知られたことである。腕前のある美人という大洗戦車道参加者の中でも有数のハイスペック集団でありましたなうんうん。


上半身のみというのを差し引いても小柄なフィギュアの、細い腕だけで身体を支えるのでがっちり接着しないといろいろつらいものがあります。ハッチを開閉させますとかフィギュアを乗り降りさせますとかギミックを考えるなら砲尾部分を作らず砲塔内になにか台座を設けるべきかも知れません。「脚なんて飾りです」とか抜かす輩は全員有罪ですなフェティシズム的な意味でな。


いろいろ難点を抱えているのは確かですけど素材としては悪くないしなーとも思います。もしもドラゴンの実戦仕様キットが存在せずにイタレリ版を争奪する羽目になってたら、それはそれでイヤな展開だったろうしなあ。放送が延期された11・12話では大活躍で、水戸のシアターでやった最速上映会では直後の物販で通常版キットが完売したとも聞きます。そういうエネルギー、情熱って大事です。


映像と(あるいは実物と)プラモデルが違うってのも、むかしからよくある話ではあるのですが、最近はスケール物もガンプラ関連もどんどんギャップが埋まってますから批判が出ちゃうのも仕方ないことではあるのかな。CG設定でもキット指定でも取り付けられていなかった牽引ワイヤーですが、11話では有効に活用されていたのでちょいと取り付けてみましたよ。


キャタピラのたるみも自然に出せて、せめてエッチングが同梱されていれば一個のプラモデルとして完結できるのですがねーうーむ。ところでふと恐ろしい可能性を思いついたのですけれどレオポンさんチーム、劇場版でいきなり実戦仕様にバージョンアップてなことはないですよねガクブル。


あらためてイタレリ版と並べてみるに、一個のプラモデルの出来としてはやっぱりプラッツ版のほうが上だと思われます。互いのよいところをニコイチするのが一番でしょうかしかしハードル高いなそれもなあ。ともあれ、OVA先行上映を2ヵ月後に控えてガルパン関連製品ただいま絶賛セール中であります。いまから作り始めれば7月上旬までにはいろいろ完成させられる!タイミング的にレオポンチームは登場しないかもしれないけれど、ひょっとしたらレストアシーンぐらいあるかもしれないぞレストア中ならエッチンググリル無しでもきっと大丈夫だぞ。

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