ダイオパーク「1/35 C100 民生バイク 1958年型」

製品には明記されていませんが要するに1/35スケール・ホンダスーパーカブのインジェクションキットです。パッケージイラストの通り2台入りとなっています。

Aパーツはまったく同じものが2枚同梱されています。ダイオパークの二輪車モデルとしては初めての製品で、ちょっと前のリリース(2011年12月)当時には驚かされたものでした。なにしろそれ以前は「サボテンとかヒマワリとか出してるとこ」って印象だったもので……


透明パーツBランナーも2枚入り、デカールエッチングはひとつのシートにまとめられています。エッチングのほうは「1枚」とカウントするのは微妙かも知れませんが。ともあれ、ガレージキットを除いたマスプロ製品としての「1/35スケールのバイクプラモデル」としては非常に力の入った製品内容と、誰でも存在を知る超メジャー車両でありつつ立体化の機会がなかったこの車種選択。これ以降ダイオパークは個人的も注目するメーカーとなりました。鍋とかいいですよ鍋とか。(調理器具セットの方がカブより先のリリースであることは、この際棚に上げる)


フレーム部分などは適度な範囲で一体化され、細かいところは細かく分割する、繊細な構成のプラモデルです。


さりげなくスライド金型も使用されています。その横にあるパーツはオマケで付いてる一眼レフカメラで、こういう小道具がいろいろ付いてて楽しいプラモデルでもある。メーカー活動をアクセサリーから始めたところならでは、でしょうか。


製品としては非常によいパッケージングだと思うのですが、組みたてはなかなか大変でした……前後の車輪はそれぞれ3つのプラ製タイヤパーツに2枚のエッチング製スポークを挟む構成なのですが、傘型に加工指示が出ているエッチングには特に治具もなく非常にやわらかい材質でもあったのでごらんの有様だよ!「サイゴン・カフェの爆風」とかたぶんそんな感じなんだよきっと!! OTL

※このあたり後発の「 WWII 英軍用自転車」では治具同梱、プラ製スポークホイールも選択式と進歩したものになっています。メーカーとしての成長が見られるのはよいものですね。英軍自転車をタミヤが後追いで被せてきたのにも、いろいろと思うところはありで。


このサイズでもスタンド可動、タイヤも回転とバイクモデルらしいギミックも自然に盛り込まれています。が、プラパーツ同士の接着に於いてもピン長すぎかあるいは取り付け穴が浅過ぎか、なにかと一筋縄では行かないのであったうーむ。たぶんこの辺も後発製品では改善されてるとは思います。


取説のイラストは綺麗に作画されていますが、一部の微小なパーツやエッチングの取り付け位置・角度などわかりづらい部分も見られます。パッケージ裏面の3DCGが参考になりますが、それでも足りない箇所は出前や郵便配達を尾行してチェックだ!最近じゃ新聞配達に電動スクーターが導入されるようなご時勢ですけれど。

フロントフォークは可動してハンドル切れる設計なんですが、前述の通りいまいち合わせが甘かったのでガッチリ接着してしまいました。


ナンバープレートは台形のものと四角形のものを選択式、グレーのプラパーツとクリアーパーツの2種あるミラーも選択式ですが、なによりウインカーランプ等の透明であるべきところはすべて別体でクリアーパーツが用意されているところが、なるほど納得の本気加減というものだ。HONDAロゴ以外のナンバーデカールはどうやら南ベトナム共和国の民間車両のようですから、日本国内用に仕上げる場合は注意しましょう。チャイナドレスよりもアオザイ派である(何)


シートはシングル+荷台とタンデムシートを選択出来ます。シングルシートを前傾させれば給油口も再現されていて、ギミック満載ですよこれ。


一応の完成です。ベトナム戦争の頃にはホンダの台湾工場で生産された車両が大量に輸入されていて、いまでもベトナム社会では「ホンダ」は二輪車の代名詞なんですと。なんでもかんでもホンダ扱いで「ヤマハのホンダ」などと呼んでいるのは、まるで軽飛行機ならなんでもかんでも「セスナ」扱いする日本人みたいです(白目)


全世界で幅広く使用された車両ですから、このキット素の状態だけでなくワールドワイドにいろんなバリエーションを展開させたいところですね、そば屋の出前仕様とかね。ダイオパークのバイクシリーズ第二段としてリリースされた1/35のベスパには全世界でオードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペックが乗せられてるでしょうから、我々は対抗策としてど根性ガエルの梅さんを乗せよう。


アクセサリーには前述一眼レフカメラにレンズ二種、ストラップはエッチング製のショルダーバッグ(Knapsackと表記されています)加えてジッポライターとタバコパッケージが付いてきますが小さすぎてピントが合いそうも無いためにランナーごとの紹介。よいキットだと思いますが思いのほか手間取ったもので、2両目を作る余裕がなかった……


ダイオパークの次回作はベンツのセダン車が予定されていて、これまたユニークな車種選択。要するに「紛争地帯の民間車両シリーズ」ということになるんでしょうかしら?


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