「タミヤモデラーズギャラリー 2013」

さて世間様におかれましてはワンフェスの興奮冷めやらぬことかと思われますが、そんなことはおかまいなしに池袋東武デパートで開催中(30日まで)のタミヤモデラーズギャラリーに足を運んで参りました。人生はいつも変化球です。

今年で通算30回目を迎えるとのことで、息の長い模型イベントです。タミヤの新製品展示などを中心に様々な観点から模型を楽しむ、模型に親しむ催し。


会場では一般に先駆けて新製品の先行販売も行われています。会場限定アイテム共々、入手された方も多いでしょう。



今回は東宝映画「永遠の0」とタイアップして劇中で使用された衣装や実物大のコックピットパネルなどが展示されていました。



それに関連して「三式十三粍固定機銃」をはじめとした現存する貴重な実物もガラスケース内で展示されています。本銃は零戦六二式の装備銃だったとのことで。どのような来歴を持つものなんだろう?


零戦の機体を解説する展示パネルや所沢の航空博物館を紹介・関連製品を販売するコーナーも設けられていました。ジブリの例の映画はどこまで見据えているのかしら。この夏はいろいろと、日本機や堀越二郎氏の業績に接する機会が増えそうですね。


例年開催されている「東武モデラーズコンテスト」も今年は特別に「零戦賞」が設けられ、幾つもの力作が場を飾りました。


整備中の情景というのも人間と機械の交わりを示すことが出来、タミヤキットの素生の良さを活かすことが出来る格好の題材です。


こちらはアーマーモデリング賞を受賞した「Good Job!」と題された迫力の情景作品です。廃屋に突っ込んで擱座したティーガーIのなにがグッジョブかといえば、


砲塔上でポーズを取るイギリス兵とそれを撮影するカメラマンとの関係でしょう。強敵を仕留めた喜びのようでいてちょっと戦場のやらせっぽい雰囲気もあったりで、タイトルプレートに意味深な雰囲気を付与しています。


でもきっとこのディオラマの主人公は家主と思しき民間人の二人連れなのでしょう。ベースの端に置かれた2体のフィギュアが大きな存在感を持って情景全体に影響しているような按配。


ストーリーテリングの見本のような構成と車両・建造物など隅々までの洗練された仕上がりはまるで教科書の題材に出来そうな作品で、AM賞受賞も納得のいく逸品です。


こちらは東武賞を受賞した作品、タミヤの恐竜世界シリーズ全ラインナップを一堂に会した非常にユニークな作品です。


ミリタリーミニチュアのランドローバーを探検車に見立てたり、限定品のプテラノドンもしっかり配置されていたりと細部まで密度の高い内容ですが、なによりも背景パネルに星空やプラモのパッケージ、化石写真等様々な要素を並べることでひとつひとつの恐竜模型にはリアリズムの重さを、情景全体にはファンタジックな想像力を配置しています。このすばらしい発想には脱帽するばかり。



その他にもアイデアや技術力に満ちた作品が数多く展示されていました。場所柄、家族連れも多い空間だからでしょうか、なんだか楽しそうなイメージを持つ応募作品が多かったように感じます。


ガールズ&パンツァー」関連作品ももちろん応募されています。この場所でこのような作品を見たいがために来たようなものだったりするのだな、実は。


静岡のモデラーズクラブ合同展示会に比べたら数は少ないのですが、戦車模型のひとつの在り方としてこの先も引き続き社会で現象して行ってほしいものですね。幕張ではいろいろ発表あったようで、その点を特に心配することはないんでしょうけれども。


こちら飛行機モデルを飛行中のまま情景に仕立て上げた作品ふたつ、日頃「飛行機は空飛ばしてナンボ」とか思っていた自分の琴線にはビシビシふれる作品でした。



背景の書き割を曲面にすることで背後だけでなく下方への奥行きを持たせ、特にシュトルヒの方はボックスアートを再現する力作でこれだけで十分すごいのですけれど、製作された方はなんと83歳(!)のお人なんですと。これには実に驚かされました。目元や手先のポテンシャルを、自分はその年齢まで保つことが出来ないだろうな。そもそもその年齢まで生きられるのかなオレハ。


そしてもうひとつ琴線にふれた作品がこちらです。一見するとみょうなバランスのクロムウェルでチョロQ的なディフォルメ作品かと思いきや、どうもフェレット装甲車辺りをベースにした映画用のプロップらしい。そしてにこやかに記念撮影する各国軍人フィギュアと「A Memoir of the BELTRING」のタイトルになるほど…と納得しました。ベルトリングのウォー&ピースショーを題材にした作品なんですね。

尾崎さんや曽山さんが遺してくれたベルトリングの記録や資料、そしてなにより実際の戦車を民間で楽しむという行為や概念、それらを模型化することが出来たら良いだろうなと、そんなことを考えました……


ここから先は人形改造コンテストの作品です。世相を映す鏡的な意味合いを持つ稀有な模型アワードだったりもしますが金賞受賞はビートルズ


応募締切が昨年の10月だったので、一年ほど前の世相が反映されています。


なるほど確かに一年近く前の人だ。ですからこっちのほうでガルパンネタを期待するなら次回なのでしょう。劇場版とはうまくかち合うかどうかは……



ホビージャパン刊行の「ミリタリーモデリングマニュアル」を飾った嘉瀬賞翔氏や青木周太朗氏の大型作品を直接目にすることが出来るのもこのイベントの醍醐味でしょう。


誌面だけでは伺えない詳細を様々な角度から眺めることが出来る、贅沢な体験です。しかしイベント終わったらどこに行くのでしょうかこれらは。


ミニ四駆やスイーツデコのコーナーも盛況でした。親子がひとつの模型に接する風景は実に良いものです。スイーツデコの体験会場はお子さんのプライバシーもありましょうから撮影を控えてプロの方の作品で。しかし最近の女子小学生ってなんであんなにキラキラしてるんだ。自分が陰っているだけだろうか……


モデラーズギャラリー、明日まで開催中です、夏の間に開催される模型関連のイベントでは最も落ち着いた雰囲気を見せる安心なイベントの、その空気は会場がデパートであるってことと無関係ではないでしょう。昨今デパートでプラモデルを購入する機会も、なかなか無いものですけれど。


個人的にこのイベントに出向く一つの目的は、会場内で特設コーナーが設けられるランナー単位のパーツ販売やお買い得のバルク製品目当てなんだけど、今回戦車関連の出物が少なめだったような気がします。美味しいものは週の前半に狩られてしまったんでしょうか(´・ω・`)


仕方ないので池袋の某お店(バレバレ)でガルパンラバーストラップを単品で一個買ってみたらシークレットが出たんでちょっと気分が回復した( ・∀・)ノ

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