絶版キット紹介シリーズ、今回はハセガワ製ヨンパチ・ビジネスジェットプラモの紹介です。お題はこのクラスの小型旅客機の代名詞ともいえるゲイツ・リアジェット。
シリーズ番号としては「T3」が振られています。調べてみるとこのT帯シリーズ(シリーズ名は発売時期により異同があるようですね)にはリアジェットの他「セスナ500サイテーション1」と「ファルコン10」がラインナップされていた模様。リアジェット自体はレジンパーツを追加した海上自衛隊仕様のU-36が限定品としてリリースされていた時期があり、むしろそちらの方がよく知られているかも?
ところで昔から気になっているのですが、なぜハセガワの48飛行機プラモはジェット機のシリーズ帯が「PT」でプロペラ機の方は「JT」なんだろう?
普通逆じゃね??
風のうわさでは、ハセガワの中の人に聞いてもはっきりした答えが返って来なかったとか…
パーツは素直なヒコーキプラモデルです。ハセガワの48機は物によってはのちのバリエーション展開を考えて鬼のように分割されてる機体がありますが、そんな心配はまったく無用。
クリアーパーツはややスモークがかった、ちょっと懐かしさを覚えるものとなってます。昔のハセガワプラモって大体こんなんだった気がする。
デカールは2枚入り。一枚はストライプ柄を中心とした機体マーキングですがもう一枚はアルファベット2文字と4ケタの数字を使って自由に航空機標識記号を製作できるナンバーデカールとなっています。組み立て説明書には日本の登録記号一覧からリアジェットが属するカテゴリーの番号が解説され、仕様が可能なオプションとして別売りのストライプデカールも紹介されています。「あなたの自家用機を作りましょう。」なるキャッチコピーに、いささかばぶるのかほりが。
このキットの正確な開発時期がいつ頃なのかちょっとわからんのですが、このクラスのハセガワプラモとしては古い時代の設計で機体部分のディティールは凸モールドになってます。機首の合わせ目消したらいろんなディティールが消失しそうでううむ。
動翼部分のスジボリは深くて太い。いかにも時代を感じさせるものではありますが、最近ではいろんなものがひと回りして「古いキットはそのまま古さを活かして組めば良い」的な風潮もありますから、これはこれで良い物なのかも知れませんね。気になる人は10年ぐらい前のモデルアートの連載では確かこのリアジェットを使って飛行機モデルのハウツー、凸モールドの彫り直し等をチュートリアルする記事があったので、そちらを探してみるのもよいでしょう(「模型喜楽に作ろ」の初期の回です)
計器盤の彫刻は見事のひと言でさすがは飛行機のハセガワといったところでしょうか。
キャビン内部を再現しているのがこのキット、このシリーズの特徴でしょう。大型旅客機のスタンダードモデルではなかなかこうは行きませんね。キットは一応35/36の2種コンパチを謳ったような商品名なんだけど、乗客数6席はモデル36の仕様となります、多分。←実はよくわかっていない
通路はかなり狭そうに見えて、あまり乗り心地はよくないのかナーとちょいと心配になる。「快適さ」の基準をどこに置くかによっても話は違ってくるのでしょうが、自家用飛行機でエコノミー症候群にはなりたくないなあ。
アナログ時代の空気満載な操縦席。センターコンソールはデカール仕上げとなっています。
そしてここがスッチーとかパーサーとかアテンダントとか呼ばれるロマン主義的乗務員の待機スペースだと思われます!ロマン!!万歳!!!
ところで機内を見れば一目瞭然、どこにもトイレが見当たりません。モデル36は大西洋横断も可能だと言うフレコミですが、一体全体生理現象はどうやって処理するんだろう…
見るからにテイルヘビーな機体なんで機首にはおもりを入れてます。テキトーなボルト&ナットを放り込んでおいたけれど、本当は釣りのオモリが良いらしい。余談ですけど「釣り」ってプラモデルと並立化できる、いい趣味だろうと思いますよ。模型業界に流用可能なサプライ用品やツールも多い(最近だとモデルカステンのメタルリギングが元々は釣り具でしたね)し、それになによりアウトドア志向なことです。ともすれば一日中部屋の中でがさごそやってる模型道楽とは対極的な位置にあって、互いに補完し合う関係である。
プラモデルと並立化できない、あまり良くない趣味としては、ともすれば一日中部屋の中で悶々としたり、どんどん部屋が狭まったりホコリまみれになったりする趣味があります。そう、
読書だ(´・ω・`)
…自分で自分の首を絞めても物事は先に進まないのでつづきに戻りますね
地上姿勢でも機体内側の脚扉は閉じているのが常態です。
完成状態。言うてもヨンパチ双発ジェットですから結構な大きさにはなりますね。元々はスイスで戦闘機として開発された機体から主翼と尾翼の設計を流用して作られたベストセラービジネスジェット。人員輸送・連絡機として軍事任務にも用いられ、米軍ではC-21の名称でこのリアジェット35を使用していました。
機体と主翼は吸いつくようにぴたりとはまり、少しの隙間もありません。と、いうより実はこの箇所を仮組みしたらホントに綺麗にはまったんで、そのまま接着もしてない状態なんだなこの画像。
搭乗口は開閉選択式。キャビンを丁寧に塗り分けてチラリズムするのが正解かも知れませんね。
エンジンが機体後部にマウントされてるから「リアジェット」なんだろうと思ってたら、実は機体設計者が「リアさん」な人名由来のネーミングだと知ってビックリ。ブリジストンの石橋さんみたい。その後リア社はゲイツ社に買収され、色々あって現在はボンバルディア社の傘下である…と。
現在ではこの手の小型ジェット機のプラモデルはそれほどメジャーな存在ではありません(テスターのキットが現行品として存在します)が、例のホンダジェットが就航すれば話は違ってくるのかな?こういう平和で日常的な飛行機にこそ、アイマスデカールが似合いそうな気もするのでもうちょっと色々あってもいいんじゃないかしら。と、思いますです。
シルエットだけならA-10っぽいんだよな。