「AMマガジンキット 八九式中戦車乙型(その弐)砲塔編」

前回に引き続いてファインモールド製八九式中戦車、第二回は砲塔並びに車体後部の尾橇周辺パーツが中心の内容です。

ランナー2枚に加えてスライド金型成型の砲塔上部、そして今回デカールが付属。


車両の指定はまだ明らかにはなっていませんが「れいぎ」号(?)と海軍陸戦隊所属車両の2種が制作できるようですね。ところで「汎用日本軍戦車用デカールセット」みたいなものをどこかでやってくれないかナーと昔から思います。ひらがなの書体などは海外モデラーに喜ばれそうな気がするんです。なぜ「菊水」なのかとか解説も含めてこー、いろいろ妄想です(笑)


組み立てる前に前回の記事を上げたあとで気がついたんですけど、八九式中戦車の車体って比べてみると車格的には九五式軽戦車と大差無いのですね。腰高のプロポーションや前後に付き出した周辺部品、そしてなにより名称から九七式中戦車ぐらいのサイズがあると勝手に思ってたのでちょっとした驚き。元々正式化の際には「八九式軽戦車」だったことが重量だけの問題ではないんだなーとよくわかるのが模型の良いところですね。

実際の組み立て過程はごく普通にプラモデルなのですが、パーツD16、17にある凸部をうっかり切り飛ばしたりしないように注意です。「そんなわけないやろ」と思いの方、私ゃゲートと間違えてうっかり切り飛ばすとこでしたぜ!画像をよーく見るとどちらのパーツでヘマをやったかわかる…うん、ハッキリわかるな。


手すり部分のD8パーツに代表されるような細かいパーツのゲート処理などは本体に接着したあとでと、この辺もセオリー通りです。机の下にパーツ落として必死に探すのもまたセオリー通りで。ところでこの箱、バッテリーなんだとカマド出版の本ではじめて知ったのですが、こんなところにバッテリーがあって本当に大丈夫なのか日本軍??


それで次の工程は尾橇部分なのですよ。左右それぞれ組んだ後、説明書では特に明示されてないんですが別々の尾橇を車体に組み付け、その後で連結部分を接着する方が良いかと思い、実際そうしたのですけれど。

あれちっともハマりませんよ?よく見るとダボの形が全然合わない。むしろ上下を逆にすればピッタリで…

さてここで前回の画像を一枚。


おれ後部パネルの上下間違えて接着してるジャン!!

○| ̄|_

確かにこーしてみると妙にスキ間が空いてるよーにも見える。これがココロのスキというものか…結局アートナイフ使って ギコギコ 丁寧に慎重に恐る恐る切り離し、なんとか修正…しました。傷跡は残ったけれどまーそんなに目につかないところなので…「車体後部のディティールは見えなくなるのか?」などと書いたのは今日のこの日が来るのを知っていたのか雷電!!

サンプル紹介者としてあるまじき失態を犯していたことをここにお詫びいたします。ここ結構八九式で検索されて来てる方、多いんですよね…


動揺のあまりか途中過程を撮影するのをすっかり忘れてました。「尾橇」って部品はまれに戦車模型にありますが(ルノーFTとか)こんなに組み立て易くて精度の高いのってないよなーと思います。


うん…まあ…大丈夫、見えない見えない。目には映っても心には知覚されないッ!あとは汚しでなんとかしよう…


マフラー、車外装備品なども本来ならこの段階で取り付けるように指示されています。がーしかし自分は全組み立ての後塗装する派ではなくてチマチマ部分ごと仕上げる派なので後回し。よって取り付け金具関係は切り離さずにこのまま据え置き。皆様に置かれましてはご自分のスタイルに合わせて進捗なさってください。


それでは楽しい砲塔関係。四面回してみてもとらえどころのないびっみょ〜なカタチをしている日本戦車特有の形状は「弾に当たらないので大丈夫」な設計思想の現れなんだけれども「弾に当たっても大丈夫」な戦車の方になんというかその、常に凌駕されるのは、今だからこそ言える話か。なお今回対空機銃は機銃架ごと付けない方向で行くつもりです。これは決して面倒くさいとかそういうことでは<全然>なくてですね、AM今月号の高荷義之画伯インタビューや滝沢彰氏記事を読んでいると装備してない方が多いように感じたのでその為です。(特に制空権のない太平洋戦域で機銃架無しの車両が多いのは驚かされます)


九○式五糎七戦車砲と九一式車載軽機関銃。どちらもいろんな出版物で見てきた図面同様でやっぱり夢のようだな。砲塔内部の装填部分までパーツ化するのはファインモールドに限らず昨今の潮流ですけれど、排莢受けまで在るのは珍しいかものと。ちなみにファインモールド謹製ディティールアップパーツを考えているので砲身は接着してないのです。

主砲関係では砲塔正面部が2種類入っててうちE33が不要パーツ扱いになってますけど、これ砲身基部に増加装甲が付加された状態で土浦の車両がこのカタチなんだよな。実戦では昭和16〜17年フィリピンに於ける戦車第七連隊所属車両などにみられるもので機銃架同様多用されてるものではないらしい…

けどこっちの方がカッコエエよなー。

…車載機銃の弾倉がふたつあるって知ってたら前回も取り付けたのにな(ぼそ)


で、完全に余剰となった機銃パーツは何かに使えると思うのでとっておきます(そーゆーの本当に使ったためしがねェ)


砲塔乗せてみるとやっぱ楽しい!ここでぐるぐるぐる〜とか回してるのが戦車作ってて一番楽しい瞬間でああおれバカだなあ、でもバカはいいぞぉ。例え主砲付けてなくて前も後ろもよくわからない状態でも、目には映らなくても心が知覚している!


第二回終わってこんな状態です。また一ヶ月後までしまっちゃうよ〜。金網部分もやっぱエッチング使いたいよな。

そうそうAM今月号が「小細工」特集だったんで自分がやってる小細工を一つ。


今回のように製作途中で小さな部品が出る際には、小さなブリスターパックに入れて保持しています。なんのブリスターだか覚えてないんですけど、縁が持ちやすいので便利便利。でも透明だから写真写り悪いよね…


そして余剰になってたBT−7の砲塔をひょいと乗せてみる。そりゃ小細工じゃなくて小ネタだ!
あーでも、なんだか実際もこーしとけば良かったんじゃないかなーとか、しみじみ思えてきました…

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