ピットロード「1/144 米海軍 エア・クッション型揚陸艇 LCAC」

LCAC-1級揚陸艇、通称を「エルキャック」と呼ばれるホバークラフト式の上陸用舟艇のインジェクションキットです。

一般的な艦船模型のスケールとしては大柄の部類に入る1/144スケールの製品ですが、いわば内火艇に当たる存在なので手頃な大きさです。一応これで「フルハル」なんだろうか。




両舷で共通するパーツが多いのでCランナーは2枚入りとなっています。



エアクッションのスカートは展張状態のものがゴム系の素材で付属。エッチングは主にグリルの金網類などで、特に曲げ加工は必要ありません。


デカールはコーションマークと船体番号2種のほか、フリーの数字でナンバリングを自由に選択させることが出来ます。大判カラー印刷の塗装&マーキングガイドが付属するので製作に当たってはよい参考となります。


実をいうと気分的には同じピットロードのLCACでも海上自衛隊仕様を紹介したかったんだけど、残念ながら只今品切れ。ところがですよみなさん、海自のLCACもコーションレターは英文で入っているので(海上自衛隊公式Webサイトの画像を参照してください)「海上自衛隊」の文字と自衛艦旗のマーキングを調達できればこのキットからでも自衛隊仕様を作るのはそんなに難しくはないのです。


ランナー枠の外にスライド金型パーツを持ってくるのはピットロード製品の成型を担当しているトランペッターのモデルによくある処置ですね。


ナリは小さくても縮尺は大きな艦船模型なので、各部のディティールは細かいものです。


普通のフネではまず見かけないような形状のパーツがゴロゴロしてるのが楽しい(笑)


スカートの内側は常に神秘とロマンに満ち溢れています。性差別だ!と憤る人は是非スコットランドにご旅行を。


では製作のほうに。船体上下貼り合わせからはじまりますが、一般の艦船模型ではそれなりに興奮するこの作業が本キットでは実に淡白に進む(笑)


展張したエアクッションと合わせて前後のゲートは閉鎖位置に、状況としては水上航行あるいはビーチランディング直後の状態を立体化したもので、揚陸作業を再現するにはエアクッションが収縮している必要があります、こんど出ますねそーゆーの。


もともとフネ関係の知識が疎いのに加えてあまりに特殊な船舶なんで、各部のパーツにどんな機能が備わってるのかいまひとつ分かってないのは困りものであります(w;


左舷側の構造物、前後から。アンテナやセンサー類(?)が林立している画像左端の構造物は見張所兼人員待機室らしい(うぃきぺでぃあなう)。


主機と推進用のダクテッドファン。船体構造物の組み立てに関しては、一部で説明書の手順を変えてまず大外を箱組みしてから内側の仕切り板を取り付けるような流れにするとスムーズです。


左舷側の構造物を船体に接着してみて、さっきの画像でひとつ前後を逆に撮ってたことに気が付きます。まことにイカンであります。


こちらは右舷の構造物。エッチングのワイパー貼っていくのは結構タイヘン。そして今度は前後を正しく撮影した箇所はエアクッションに空気を送り込むエアインレットです(と、デカールに書いてある)


ちなみに操舵室(この船には舵がないんでたぶん「操舵室」ではないんだろうが)内部には三人掛けの室内も再現されています。操作ハンドルがはるかぜちゃんだ(ω)


主機関連は左右でほぼ同型。だんだん、書くことが無くなってきました……


幸い作業もここまででこの通りの形になります。アメリカ海軍では1980年代から運用されているLCAC自衛隊での導入はおおすみ輸送艦の搭載用に購入された1993年以降となりました。おおすみ輸送艦も就役直後は「見た目が空母みたいでケシカラン」などと非難されたものですけれど、


ウェルドックとLCACを備えたおおすみ型は日々の演習のみならず各自治体との災害訓練でも広く用いられ、東日本大震災の復興作業・物資運搬にこのLCACが投入されたのは皆様の記憶に新しいところでしょう。さすがにその時は「見た目が空母みたいでケシカラン」てなこと言う人はいませんでしたな。


その際ネットに上げられたLCACの画像を見たリアクションで、実際の船舶サイズよりももっと巨大なフネのように誤解した意見が散見されました。思うに一般的な船舶とはかけ離れた形状をしているために、参照すべき基礎データが構築され難いんじゃあるまいか。


1/144スケールの戦車を乗せるとこんな具合です。といっても戦車のサイズを体感できる人も世の中そんなに多くないでしょうし、はてどうするか。


そんな時はコイツの出番だ。お台場の1/1ガンダムなら実物を目にした人も多いでしょうし、普段はあまり目にしないLCACのサイズを分かりやすく体感できるかと思われます。俺たちホントに未来を生きてるよな。


カトキハジメのイラストではユニコーンに登場する“ジェスタ”がLCACでビーチランディングするものがありました。ベースジャバーも発売されたタイミングですし、いわば「海ジャバー」として応用するのも悪くないかもです。ネーミングセンス皆無だな俺。

……たぶんジェスタそのものは乗せられないかもです。ザブングルのランドシップ的なことが出来ないかなーとこないだ組んだセンドビードからめて見たらデカ過ぎでしたっ><


で、おまけの動画。

「ドーンブリッツ2013」演習で自衛隊LCACが揚陸作業をする光景です。いろいろ興味深い点が見られて面白いなー。(高機動車が浜に下りるとタイヤの汚れ具合が一発で変わるのがオモロ)通風筒が小刻みに動いてるのは動力制御されてるのか単にここフリーで可動するのかどっちなんでしょ?そして最後まで見るとよく分かるのですが……


沖合に向けた帰り道での砂埃がスゲぇΣ(゚Д゚;)


如何な物好きとはいえ運用されてるLCACの後ろ側には近寄らん方がええみたいです……


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